バリュー事件(VALU騒動)を端的に説明すると、「人気YouTuberたちが自身の価値を数値化した疑似株式を高値で一般ファンに買わせ、その直後に自ら売り抜けて莫大なビットコインを獲得したことで大炎上した騒動」です。舞台となったサービス「VALU」は、ビットコインブロックチェーン技術を活用し、個人が「VA」と呼ばれる模擬株式を発行して支援を募り、資金調達ができるプラットフォームとして2017年春に立ち上がりました。
事件の発端は2017年8月9日から10日にかけてのことでした。当時、若者を中心に爆発的な人気を誇っていたYouTuberのヒカル氏、ラファエル氏、いっくん氏(禁断ボーイズ)らが相次いでVALUのアカウントを開設。「自分の全財産を使って買い戻す」「株主優待をつけるかもしれない」といった期待を持たせる発言をSNS上で発信しました。彼らの莫大な影響力に惹かれたファンや個人投資家が殺到し、数日間にわたって買い注文が集中した結果、彼らのVA価格は連日ストップ高を記録し、急騰を続けました。
しかし、悲劇は2017年8月15日に訪れます。市場価値が天井に達したとみられたタイミングで、ヒカル氏らは事前告知なく保有する自身の全VAを一斉に市場へ売り出しました。これにより、買い支えを信じて高値掴みをした一般購入者たちには暴落したVAだけが手元に残り、多額の含み損が発生。ネット上では「意図的な売り逃げ(Pump and Dump)ではないか」と怒りの声が爆発し、メディア各社が連日報じる大スキャンダルへと発展しました。