稲荷山の全体像を把握する上で外せない重要拠点が、登山道の中腹に位置する「三ツ辻」と「四ツ辻」です。本殿を出発して千本鳥居をくぐり、奥社奉拝所、熊鷹社を通過すると、まず現れるのが三ツ辻分かれ道です。ここは本線と下山専用ルートが分岐する合流地点であり、下山時の進路選択を誤ると全く別の住宅街へ降りてしまうため、案内板の確認が欠かせません。
三ツ辻からさらに傾斜を増した石段を登り続けると、パッと視界が開ける四ツ辻展望スポットに到達します。ここは京都市街から遠く西山連峰までを一望できる絶好のビュースポットであり、多くの登山者が腰を下ろして息を整える中間地点です。ここには昭和の風情を色濃く残す茶屋があり、俳優・西村和彦氏の生家としても知られる老舗「にしむら亭」の評判は非常に高く、名物の冷やし飴や甘味を楽しみながら京都の街並みを眺める時間は格別の体験となります。
山頂を一周する周回コースは、この四ツ辻を起点として時計回り(右回り)、あるいは反時計回り(左回り)に歩き、再び四ツ辻へと戻ってくる構造になっています。一般的な伏見稲荷登山所要時間と各ルートの特徴を整理した以下の比較表をご確認ください。
四ツ辻からの周回順路は、反時計回り(四ツ辻 → 三ノ峰 → 間ノ峰 → 二ノ峰 → 一ノ峰山頂 → 御劔社 → 四ツ辻)が伝統的な推奨ルートです。この巡り順は上り勾配が比較的規則正しく、下山側に緩やかな傾斜が続くため、膝への負担を分散しやすい構造になっています。