当時の若者文化を象徴する最大の要素といえば、一目でそれと分かる独特のスタイルだ。ポマードで丹念に固めたリーゼントヘアやアイパー、仕立て屋に特注した短ラン、長ラン、洋ラン、そして極端に太いズボンである「ドカン」や「ボンタン」。これらは単なる反抗のポーズではなく、仲間内でのアイデンティティや威厳を示すための視覚的シグナルだった。
また、彼らの間には厳格な抗争ルールが存在していた。無差別の暴力が横行していたわけではなく、「タイマン(一対一の決闘)には第三者が口を出さない」「他校の縄張りを荒らす際は筋を通す」「一般人には手をかけない」といった暗黙の了解が守られていた。面目を潰された際には筋を通すための話し合いが行われるなど、一種の武士道にも似た美学がグループを統律していたのだ。