上野から御徒町にかけてのエリアは、都内屈指の大衆酒場激戦区として知られています。その中心地で連日満席の賑わいを見せる「味の笛 本店」の最大の武器は、何と言っても吉池直営という盤石のバックボーンにあります。吉池といえば、プロの料理人から一般の魚好きまで厚い信頼を寄せる老舗の鮮魚専門店です。独自の仕入れルートから毎日届けられる海の幸は鮮度・質ともに申し分なく、仲卸や中間流通を挟まないからこそ実現できる価格設定が酒呑みを惹きつけて止みません。
一般的な居酒屋であれば800円から1,000円前後は下らない吉池 鮮魚 刺身メニューが、同店では小皿盛りとしてワンコイン前後の破格でショーケースに並びます。さらに海鮮のみならず、焼き鳥、煮込み、新潟の郷土料理を思わせる小鉢類まで網羅されており、まさに「上野 せんべろ」カルチャーの頂点に君臨する存在といえます。
しかし、単に価格が安いだけではこれほどの熱狂は生まれません。徹底して無駄を省いたオペレーションと、呑兵衛たちが互いに空間を譲り合う暗黙の秩序が成立している点こそ、本店の特異な魅力となっています。