安中散を服用しても効果を実感できない場合、主に以下の3つの要因が考えられます。
第1に、体質(証)の不一致です。体力が充実しており、顔色が赤く、脂っこい食事の摂りすぎで胃が熱を持っている「実熱証」の人が服用すると、配合されている温性生薬(ケイヒやリョウキョウ)が胃の充血を助長してしまうことがあります。
第2に、飲むタイミングの誤りです。漢方薬の基本は「食前(食事の約30分前)」または「食間(食後約2時間後の空腹時)」の服用です。胃の中に食べ物がない状態の方が、生薬の有効成分が効率よく腸管から吸収されます。食後に飲んでしまうと吸収スピードが落ち、期待する効果が得られない原因になります。
第3に、器質的疾患の見落としです。胃潰瘍の活動期、十二指腸潰瘍、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎、あるいは胆石症や心筋梗塞の前駆症状など、漢方単独では対応できない重篤な疾患が隠れている場合があります。数日間服用しても痛みが改善しない場合は、自己判断を中止し消化器内科の受診が必要です。