地震直後に多くの人が陥りがちなのが、「一度揺れが収まったからもう大丈夫」という過度の安心感や、逆に「これからもっと巨大な本震が来るのではないか」という過剰なパニックです。防災科学の観点から、知っておくべき盲点を整理します。
気象庁は現在、かつて使われていた「余震確率発表方式」を改め、大きな地震の発生後は「同程度の規模の地震に対する注意喚起」を呼びかける運用を行っています。これは、2016年の熊本地震のように、最初の強い揺れ(前震:M6.5)の後にさらに規模の大きい地震(本震:M7.3)が発生した前例を踏まえたものです。
揺れを感じた直後は、以下のポイントを冷静に点検してください。
- 家具や家電のズレを確認:小さな揺れでも突っ張り棒や耐震ジェルが緩んでいる可能性があります。
- 避難経路のドアや窓の開閉確認:強い余震が来た際に建物の歪みでドアが開かなくなるリスクを防ぐため、ロックを解除しておきます。
- ブレーカーと火の元の確認:震度5弱以上の揺れがあった場合は、停電復旧時の「通電火災」を防ぐため、避難時にブレーカーを落とす準備を想定します。
【プロの結論】災害心理学に見る「正常性バイアス」と正しい初動判断基準
災害心理学の研究において、人間には都合の悪い情報を過小評価し「自分だけは大丈夫だ」「大した揺れではない」と思い込もうとする「正常性バイアス」が働くことが実証されています。微弱な揺れであっても、これを「防災訓練の合図」と捉えられるかどうかが運命を分けます。
以下に、地震直後において「おすすめできる適切な行動」と「慎重になるべき・避けるべきNG行動」の判断基準を明示します。
- 【推奨される行動】:
- 頭部をクッションや手荷物で保護し、落下物のない安全なスペースへ身を寄せる。
- スマートフォンのバッテリーを温存し、公式な防災機関の文字情報を確認する。
- 家族との連絡には電話回線ではなく「災害用伝言ダイヤル(171)」やメッセージアプリを活用する。
- 【避けるべきNG行動】:
- 揺れている最中に慌てて外へ飛び出す(看板やガラスの落下物で負傷するリスク大)。
- 震源や被害状況を確かめようと、むやみに沿岸部や急傾斜地・川の様子を見に行く。
- 真偽不明のSNSの噂やチェーンメールを無批判にリポスト・拡散する。