本作の鑑賞者を最も悩ませ、同時に感動させるのが「逆行する時間軸のメカニズム」です。2人が住む世界は平行して存在していますが、時の流れのベクトルが真逆になっています。さらに、2つの世界が交差できるのは「5年に1度、満月から満月までの30日間」だけという厳格な制約が存在します。
互いが20歳を迎えた奇跡の30日間における、2人の時間経過を客観的データとして整理すると以下の対比になります。
さらに長期的スパンで見ると、2人は「5歳の高寿を救った35歳の愛美」「5歳の愛美を救った35歳の高寿」という運命の命の恩人同士でもあります。30歳の高寿は10歳の愛美に鍵のかかった箱を預け、30歳の愛美は10歳の高寿にその鍵を渡します。双方が年齢を重ねるごとに相手は若返っていくため、同世代として愛し合える時期は「20歳」のこの瞬間しかありません。