本作の語り草となっているのが、沢尻エリカ 菜々緒 共演によって生み出された緊迫感あふれる画面の引力です。当時、映画『ヘルタースケルター』(2012年)での圧倒的な演技が高く評価されつつも、地上波連続ドラマへの本格復帰には世間の厳しい視線も向けられていた沢尻エリカ。一方の菜々緒は、モデルから女優へと軸足を移しつつある過渡期にありました。
制作関係者の証言や当時のインタビューによると、現場は張り詰めた緊張感に満ちていたといいます。特に川島レミ絵を演じた菜々緒は、台本数ページに及ぶ長台詞の「毒舌心の声」をマシンガンのようなスピードで叩き込み、NGをほとんど出さない徹底した役作りで現場を圧倒しました。「沢尻さんの持つ唯一無二のオーラに呑まれないよう、毎シーンが真剣勝負だった」と後に語られた通り、二人の緊迫した距離感が劇中の敵対関係に類稀なリアリティを吹き込んだのです。
対する沢尻エリカは、いじめられ耐え忍ぶ前半のナチュラルな芝居から、後半にかけて自分の意志で立ち上がり、悪女たちを次々と手玉に取っていく「下克上の覚醒」を表情のグラデーションだけで鮮やかに演じ分けました。単に怒鳴り返すのではなく、相手の急所を冷ややかに見据えて微笑むその凄みは、「やはり沢尻エリカの画面支配力は別格」と業界内外を唸らせる決定打となりました。