授乳中のしこりが取れないのはなぜ?乳腺炎を防ぐ即効対処法【助産師が解説】

授乳中のしこりが取れないのはなぜ?乳腺炎を防ぐ即効対処法【助産師が解説】

授乳中のしこりが取れないのはなぜ?乳腺炎を防ぐ即効対処法【助産師が解説】についての疑問解決ガイドをお届けします。

それでは、自宅で安全かつ効果的にしこりを解消するにはどうすればよいのでしょうか。助産現場で実際に指導されている、確実性の高い具体的なアプローチを整理します。

1. 飲ませ方の工夫:下顎の位置を合わせる「フットボール抱き」

赤ちゃんが母乳を吸い出す際、最も強い陰圧とマッサージ効果が働くのは「下顎(したあご)」が当たっている方向です。横抱きばかりで授乳していると、特定の乳管ばかりが吸われて別の乳管が詰まりやすくなります。

胸の外側や脇の下付近にしこりがある場合は、赤ちゃんを脇に抱えるように保持するフットボール抱き(脇抱き)を取り入れることで、下顎がしこりの位置に当たり、効率的に詰まりを吸引させることができます。上側にしこりがある場合は縦抱き、内側にある場合は交差抱きなど、しこりのある方向に赤ちゃんの顎を向けることが解消の決定打となります。

2. 正しい母乳マッサージのやり方

しこりそのものをピンポイントで強く揉むのは厳禁です。まずは胸の土台(基底部)の血流を促すことから始めます。

両手のひらで乳房を包み込み、肋骨から乳房を少し浮かせるようなイメージで優しく上下左右に揺らします。その後、乳輪の周囲を指の腹で円を描くように柔らかくほぐし、乳頭周囲の緊張を取り除きます。しこりの排出を促す際は、しこりの後方(体壁側)に指の腹を優しく当て、授乳のリズムに合わせて乳頭方向へ軽く撫で下ろす程度の圧にとどめてください。

3. 冷やす・温める判断基準の鉄則

「温めるべきか、冷やすべきか」は多くの母親が迷うポイントですが、タイミングによって明確な使い分けが必要です。

授乳の直前(約5分前):蒸しタオルなどで乳房全体をじんわり温めると、血管と乳管が拡張し、オキシトシン(射乳反射を促すホルモン)の分泌が促されて母乳が出やすくなります。
授乳の直後:授乳後もしこりや熱感が残っている場合は、冷水で絞った濡れタオルや保冷剤(必ず布で包む)を当てて5〜10分程度アイシングを行います。炎症を鎮め、過剰な母乳生成とむくみを抑制する効果があります。

4. 漢方薬「葛根湯」の活用法

初期の乳腺のうっ滞や悪寒がし始めたタイミングにおいて、初期症状の緩和として葛根湯(かっこんとう)が選択されるケースがあります。血行を促進し、初期の炎症を散らす作用が期待されます。授乳中でも服用可能な処方が一般的ですが、脱水を防ぐために多めの白湯で服用し、胃腸症状などが出た場合は中止して医師・薬剤師に相談してください。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

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