耳の後ろのしこりに触れた際、明確な圧痛や熱感を伴う場合に疑われる代表的な3つの原因を検証します。
筆頭に挙げられるのが耳後リンパ節炎です。耳の後ろには頭皮(側頭部や後頭部)のリンパ液が流れ込む関所が存在します。ヘアカラーによる頭皮の荒れ、毛嚢炎(ニキビのような毛穴の炎症)、ピアスホールの化膿、あるいは咽頭炎や扁桃炎といった風邪症状から侵入した細菌やウイルスを食い止める過程で、リンパ節が防御反応として赤く腫れ上がり、触れると強い痛みを発します。
次に頻度が高いのが、皮膚科領域の代表疾患である粉瘤(アテローム)の感染です。皮膚の下に角質や皮脂が溜まる袋状の嚢腫ができ、通常時は無痛の柔らかいしこりですが、袋の開口部から細菌が侵入すると「炎症性粉瘤」へと化膿します。内部に膿が充満して赤くパンパンに腫れ上がり、拍動性の激痛を伴うのが特徴です。中央部に黒い点(ヘソ)が見られる場合、粉瘤の可能性が一段と高まります。
3つ目は、発熱とリンパの腫れを同時に引き起こすウイルス性感染症です。代表格であるおたふく風邪(流行性耳下腺炎)では、耳の下から後ろ、顎の下にかけての唾液腺が急速に腫れ上がり、咀嚼や嚥下時に強い痛みが走ります。成人になってからの感染は高熱や合併症のリスクを伴うため、予防接種歴の有無や周囲の感染状況を即座に確認する慎重さが求められます。