中学校テストと小学校のカラーテストには、評価の思想そのものに決定的な断絶が存在します。小学校のテストは、授業直後に理解度を確かめる「全員に満点を取らせるための形成的評価」です。範囲は単元ごとの数ページから十数ページに限られ、基礎的な知識の定着度を測るため、平均点は自然と85点前後に跳ね上がります。
一方、中学校の1学期中間テストは、入学から約2カ月間に学んだ全単元を対象とする「広範囲の総括的評価」です。出題の目的は基礎の確認にとどまらず、順位をつけ、高校入試に関わる内申点(通知表の評定)の根拠を算出することにあります。現場の指導員が「小学校で90点を連発していた層が、中1中間テストでいきなり60点前後に沈む現象はごく自然な構造変化」と証言するように、テストの性質が別物に切り替わったことを認識できていない生徒ほど、大きな挫折を味わうことになります。
さらに、問題自体の難度も飛躍的に上がります。小学校では単語の穴埋めや記号選択で済んでいた設問が、中学校では「正確なスペルでの英作文」「正負の数の符号を考慮した長文計算」「理由を30字以内で論述する国語・理科の記述問題」へと姿を変えます。「授業を聞いていたから解けるだろう」という甘い見通しは、試験開始と同時に粉々に打ち砕かれるのが現実です。