素材そのもののポテンシャルを知ることも欠かせない。農林水産省の青果物統計によれば、白菜の収穫量は11月から2月にかけてピークを迎え、寒さに耐えるために糖度を蓄える性質がある。霜に当たった冬の白菜は、芯の部分にブドウ糖やショ糖を豊富に含み、上質な割り下に負けない強いコクを生み出す。
日本の食品産業においても、カット野菜の殺菌・脱水技術の向上や、鍋専用に水分量をコントロールしやすい高密度品種の開発が進むなど、野菜を取り巻く環境は進化を続けている。旬の力を最大限に引き出す知恵さえあれば、スーパーで手に入る手頃な一玉が、料亭に匹敵する極上の食材へと化ける。