揚げ物の代表格である竜田揚げ、唐揚げ、そしてナゲット。日常的に口にするこれら3つの料理は、原材料・下味・衣の構造において明確な境界線が引かれています。
最大の特徴は、醤油やみりん、酒、すりおろし生姜などで食材にしっかり下味を染み込ませ、片栗粉のみをまぶして揚げる点にあります。揚げ上がると、醤油の赤褐色と片栗粉の白い粉吹きがコントラストを描き、独特のサクッとした軽快な歯ごたえを生み出します。
一方、唐揚げは食材に小麦粉や片栗粉、あるいはそのブレンド粉を薄くまぶして油で揚げる調理法全般を指す包括的な呼び名です。下味のベースも塩、醤油、ニンニク、香辛料など多岐にわたり、衣に卵を使うケースもあります。つまり、「竜田揚げは唐揚げという大きなカテゴリーの中に属する、極めて厳格なスタイルの伝統派揚げ物」と位置づけられます。
なお、チキンナゲットは細かく刻んだり挽肉にしたりした肉に調味料や結着剤を混ぜて成形し、小麦粉ベースのバッター液(衣液)をくぐらせて揚げた欧米発祥の料理です。食感、肉の加工プロセス、衣の仕上がりいずれを比較しても、日本の竜田揚げとは全く異なる成り立ちを持っています。