耳の下の腫れと痛くないしこりの正体|危険な病気と受診の目安

耳の下の腫れと痛くないしこりの正体|危険な病気と受診の目安

今注目を集めている 耳の下の腫れと痛くないしこりの正体|危険な病気と受診の目安について、多角的な視点を整理して公開しています。

ネット上では「耳の下が腫れたらまずおたふく風邪を疑うべき」といった言説が散見されますが、これは成人においては大きな誤解を生む原因になります。流行性耳下腺炎(おたふく風邪)は、確かに代表的な耳下腺の疾患ですが、通常は小児期に多く、成人が罹患した場合は38度を超える高熱や強い全身倦怠感を伴います。さらに重要な鑑別点が「腫れが片側だけか、それとも両側か」という点です。

おたふく風邪の腫脹は、最初は片側から始まったとしても、数日中にもう片側も腫れて両側性になるケースが全体の約7割から8割に達します。一方で、熱はなく片側だけがぽっこりと腫れている場合、ウイルス感染症の可能性は極めて低く、局所的な耳下腺腫瘍や唾石症(唾液の通り道に結石ができる病気)を強く疑わなければなりません。

唾石症の場合、特徴的なのは「食事のタイミングに合わせた腫れの変動」です。レモンや梅干しなど酸っぱいものを見たり食べたりして唾液が大量に分泌されると、結石によって出口を塞がれた唾液腺がパンパンに膨れ上がり、耳の下や顎の下がズキズキと痛みます。そして食後しばらく経つと唾液が少しずつ排出され、腫れが自然に引いていくというサイクルを繰り返します。「食べると耳の下が腫れ、時間が経つと治る」という現象は、ネット検索では見落とされがちな典型的な病態の一つです。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。