山田太一は、社会の周縁に置かれた者たちの痛弁者でもあった。TBSテレビの『ふぞろいの林檎たち』では、四流大学に通う落ちこぼれたちの学歴コンプレックスや恋愛、将来への不安を等身大で活写。サザンオールスターズの楽曲とともに、選ばれなかった若者たちの鬱屈をリアルにすくい取った。
一方、NHKで鶴田浩二を主演に迎えた『男たちの旅路』では、特攻隊の生き残りである警備司令補と、戦争を知らない新世代との埋まらない溝を鋭くえぐり出した。障害者の性や社会参加、シルバー世代の反乱など、タブー視されていた重厚なテーマに真っ向から挑んだこの骨太なヒューマンドラマは、現代の視聴者にも強烈な問いを突きつけ続ける。