町屋斎場をはじめとする斎場利用料の上昇は、単なる物価高の一環にとどまらない複雑な資本構造と経営戦略の変遷が絡んでいます。その中核にあるのが、運営元である東京博善株式会社と、その親会社である廣済堂ホールディングスの事業方針です。
かつて印刷業を主軸としていた廣済堂グループにおいて、安定したキャッシュフローを生み出す東京博善の火葬・葬祭事業は最大の収益源へと位置づけられました。過去数年にわたる経営権を巡る動向や株主構成の変化を経て、同社は収益性の抜本的な改善に着手。施設の近代化や環境対策、DX投資を進める一方で、長年据え置かれていた火葬料金や休憩室料金の体系が全面的に改定されました。これがいわゆる東京博善 料金改定の真相として業界内で指摘されている構造的転換点です。
さらに、国際的な資源価格の乱高下に伴う火葬炉の燃料費高騰、電力コストの上昇に対応するため、火葬料金に付随する燃料調整費の設定など、実質的な支出項目が重なりました。東京23区内に存在する9か所の火葬場のうち、公営はわずか2か所(臨海斎場・瑞江葬儀所)に過ぎず、残る7か所のうち6か所を東京博善が一手に運営しています。この準独占的な市場構造が、東京博善 値上げの理由に対する世間の視線をより厳しくさせている背景と言えます。