タモリと妻の結びつきは、彼が芸能界へ足を踏み入れるはるか前に遡ります。妻の名前は春子さんと伝えられており、実生活におけるパートナーにとどまらず、ビジネス面でもタモリを支え続けた盟友でした。
二人の馴れ初めは、福岡での会社員時代にあります。早稲田大学を中退後、福岡へ戻ったタモリ(当時・森田一義)は、地元の生命保険会社に勤務していました。そこで同僚として出会ったのが、2歳年上の先輩社員であった妻です。当時から卓越した話術と独特のユーモアを持っていたタモリに惹かれ、またタモリも彼女の落ち着いた知性と包容力に信頼を寄せ、1970年頃に結婚へと至りました。
その後、タモリが脱サラして喫茶店のマスターやボウリング場の支配人などを務め、山下洋輔や赤塚不二夫らとの運命的な出会いを経て上京を決意した際も、妻は反対することなく背中を押したといいます。タモリが単身上京して赤塚邸に居候していた下積み時代、福岡で家計を守りながら精神的支柱であり続けたエピソードは、ファンの間でも語り草となっています。
本格的なブレイクを果たした後は、タモリの資産管理およびマネジメントを行う個人事務所の社長(代表取締役)に就任。長年にわたり経営の舵取りを一手に引き受け、タモリが芸事だけに集中できる環境を整えました。公私にわたる完璧な役割分担が、大スター「タモリ」を半世紀支え続けた基盤となっています。