道場六三郎氏の料理人人生は、決して平坦な道ばかりではありませんでした。石川県江沼郡山中町(現・加賀市山中温泉)の茶碗屋の家に生まれ、生家が傾いたことから弱冠17歳で料理の道を志して上京。金沢、神戸、赤坂の名店で厳しい修業を重ねました。
関西風の調理法と関東の技法を融合させ、30代前半で銀座の名門料亭「ろくさん」の料理長に就任。その後、独立して「銀座ろくさん亭」を開業するに至りますが、その激動の日々を陰で献身的に支え続けたのが妻の幸子さんでした。
過酷な下積み時代から独立後の苦境まで、常に一番の理解者として寄り添い続けた妻の存在は、道場氏にとってかけがえのない精神的支柱でした。先立たれた現在でも、娘たちをはじめとする家族の温かいサポートと深い絆が、日々の創作意欲を支え続けています。