インターネット上のグルメレビューやSNSを見ていると、力餅食堂に関して決定的な誤解が散見されます。その最たるものが「力餅食堂は古びたうどんチェーン店であり、どこで食べても同じ味である」という思い込みです。
これは完全な事実誤認です。前述した組織の仕組みからも明らかなように、本部によるマニュアルもなければ、一括納品されるタレやスープも存在しません。各店主が修行先で受け継いだ味をベースにしながらも、地域の客層に合わせて独自の改良を重ねてきました。
したがって、「ある店の中華そばは鰹節が強烈に効いているが、別の店では鶏ガラを隠し味に使っている」「ある店のおはぎは粒感が残る半殺しだが、別の店は極めてなめらかなこし餡に定評がある」といった明確な個性が存在します。さらに、丼ものにミニうどんが付くセットメニューに特化する店もあれば、定食類を豊富に揃えて居酒屋使いができる店まで様々です。「力餅食堂」という看板は共通していても、ドアを開ければそこには唯一無二の個人店が広がっていることこそ、真に理解されるべき事実です。