ワインレッドの心コード完全解剖|初心者カポ設定と玉置浩二の哀愁を再現

ワインレッドの心コード完全解剖|初心者カポ設定と玉置浩二の哀愁を再現

ワインレッドの心コード完全解剖|初心者カポ設定と玉置浩二の哀愁を再現の注目ポイントを分かりやすくまとめてご紹介します。

多くのリスナーを惹きつけて離さない安全地帯の名曲コード進行解説において、避けて通れないのが「短調と長調の境界線を揺れ動くドラマ性」です。原曲キーはF# minor(嬰ヘ短調)。冒頭から重厚で憂いを帯びたトーンで始まりますが、Aメロからサビにかけて巧みなコード進行の妙技が散りばめられています。

典型的なAメロの骨格を見てみましょう。

【原曲進行】:| F#m | Bm7 | E7 | AM7 | D | Bm7 | C#7 | C#7 |

ここで注目すべきは、2小節目から4小節目にかけて展開される「Bm7 → E7 → AM7」というツー・ファイブ・ワン(II-V-I)の流れです。これはF#マイナーの平行調であるAメジャー(イ長調)への一時的なアプローチであり、重く沈んでいた空気感の中に、まるでステンドグラスから差し込む夕陽のような淡い光が宿ります。暗闇の中で一瞬だけ視線が交差するような叙情的な心理描写が、理論的にコード進行へ完璧に落とし込まれているのです。

さらに曲全体の緊張感を極限まで高めているのが、セクションの最後を締めくくるドミナントセブンス「C#7」の存在です。通常のマイナーペンタトニック主体のフォークソングであれば単純なマイナーコードで処理しがちな箇所に、強烈なトライトーン(全3音の不協和音程)を含むC#7を配置。さらにテンションノートである「♭9th」のニュアンスを含ませることで、リスナーの聴覚に「解決したいのに解決しきれない、大人の焦燥感」を強烈に植え付けます。当時の制作現場において編曲を手掛けた星勝氏や安全地帯のメンバーが研ぎぎすましたこのハーモニーこそが、昭和から令和に至るまでリスナーの耳を捉えて離さない「哀愁の正体」と言えます。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。