一方で、アパレル・服飾縫製産業や日用品・洋服修繕業に携わる専門家たちは、「応急処置だけでなく、事前の予防と正しい扱いこそが製品寿命を延ばす」と口をそろえる。
プロがまとめた「服飾修繕・レスキューガイド」によると、ファスナー脱落を未然に防ぐためには日常のちょっとした気配りが欠かせない。例えば、洗濯時には必ずファスナーを上まで完全に閉めてからネットに入れること。開いたまま洗濯機に入れると、水流の圧力でスライダーに無理な力がかかり、金属疲労の原因となる。
また、無理に開閉しようとして生地を噛み込んでしまった場合は、力任せに引っ張らず、スライダーを少し戻しながら生地を優しく引き抜くのが鉄則だ。修繕業のプロによれば、日頃からロウソクのワックスやシリコンスプレーをスライダーの滑走面に軽く塗っておくだけで、噛み合わせの摩耗を格段に減らすことができるという。