宮崎の焼肉を語る上で避けて通れないのが、昭和43年創業の老舗ローカルチェーン「夾竹園(きょうちくえん)」の存在です。検索エンジン上では「夾竹園 食べ放題」というフレーズが頻繁に検索されており、観光客や移住者の間では「夾竹園のあの絶品肉が食べ放題で楽しめる店舗があるのではないか」という期待が長年渦巻いてきました。
しかし、綿密な調査の結果、夾竹園食べ放題実施店舗の真相は「全店舗においてレギュラーの焼肉バイキング・食べ放題は一切実施していない」というのが動かぬ事実です。一部の特別催事や過去の単発企画がネット上の掲示板やSNSで伝言ゲームのように拡散され、食べ放題が存在するという都市伝説が定着してしまったものと考えられます。
現地取材で見えてきたのは、宮崎市内焼肉食べ放題ネットの反応と地元客の実態の決定的な乖離です。生粋の宮崎市民にとって、夾竹園は「食べ放題に行く場所」ではなく、「秘伝のフルーティーな甘口ダレをたっぷり絡めたカルビと、特製キムチ、大盛りご飯を定食スタイルで豪快にかきこむソウルフード」として確固たる地位を築いています。定食メニュー自体が極めてボリューミーであり、1人前あたり2,000円前後の手頃な予算で十分に満腹感を得られる設計になっているため、地元住民から食べ放題を求める声はほとんど上がっていません。夾竹園の看板に惹かれて訪れる際は、食べ放題目当てではなく、宮崎のタレ焼肉文化の真髄を味わう目的で足を運ぶのが賢明な選択です。