同性に対して強い拒絶反応を抱く背景には、深層心理における「投影(プロジェクション)」が深く関わっています。心理学において、自分自身が無意識に抑圧しているコンプレックスや「こうあってはならない」と禁じている振る舞いを他人が平然と行っているとき、人は強烈な嫌悪感を覚えます。例えば、甘え上手な女性や愛嬌を武器にする同性に対して過剰な怒りを感じる場合、それは「本当は自分も他人に甘えたいのに我慢している」という抑圧された欲求の裏返しであるケースが目立ちます。
いわゆる「女の敵は女」という現象は、進化心理学や社会心理学の観点からも説明が可能です。限られたコミュニティ内での承認やステータスを争う過程で、同性は最も身近な比較対象となります。特に女性同士の間では、露骨な敵対関係を避ける代わりに「陰湿な排除」や「間接的な牽制」が行われやすく、これが「何を考えているか分からなくて怖い」という不信感を増幅させる引き金になります。
自分の中にある弱さやズルさを相手の中に見出してしまうからこそ、同族嫌悪は他者への嫌悪感よりも激しく、かつ自分自身をも傷つける刃となってしまうのです。