伊勢志摩の旅において、食の誘惑を回避することは不可能だ。鳥羽の海がもたらす伊勢エビ、アワビ、牡蠣、そして季節の地魚。駅前の飲食店街や地元の鮮魚店では、水揚げされたばかりの新鮮な食材が豪快に調理され、香ばしい磯の香りが路地いっぱいに漂う。近年では伝統的な磯焼きスタイルに加え、シェフが腕を振るうモダンな海鮮バルやカフェも登場し、若い世代や外国人旅行者の胃袋を満たしている。
こうした食の魅力と相まって、地域経済を支える観光・宿泊業も大きな変革期を迎えている。単に「泊まる」だけの施設から、地域の歴史や食文化を深く体験できる高付加価値型インバウンドやリゾート開発が進行中だ。環境に配慮したサステナブルな宿づくりや、地産地消を徹底したオーベルジュスタイルの旅館が増えたことで、滞在そのものが旅の主目的に進化している。