葬儀の受付実務や葬祭ディレクターへの取材現場では、「表書きの文字」だけでなく「香典袋(不祝儀袋)の装飾」によるトラブルや疑問の声が頻繁に聞かれます。
仏事の不祝儀袋には、水引の色や結び方、包む金額に応じた「袋の格」が厳格に定められています。
- 水引の結び方:不幸が二度と繰り返されないよう、端を引っ張ってもほどけない「結び切り」または「あわじ結び」を用います。蝶結びは慶事用のため絶対に使ってはいけません。
- 水引の色:全国的には「黒白」が標準ですが、関西や北陸など一部地域では法要に「黄白」が広く用いられます。また、包む金額が5万円以上の高額な場合は「双銀(銀一色)」の水引を選ぶのが格式上のルールです。
- 蓮の絵柄の有無:袋の表面に蓮(ハス)の花が型押しや印刷されているものは仏教専用です。神道やキリスト教の儀式で蓮入りの袋を出すと重大なマナー違反となるため、宗教が分からない場合は必ず「無地の白袋」を選択してください。
大手の葬儀相談窓口に寄せられる相談者の声として、「急な訃報でコンビニに駆け込んだところ、御霊前の袋しか置いていなかった」というケースが目立ちます。遺族側が参列者の不慣れな表書きを咎めることは基本的にありませんが、受付で親族や寺院関係者の目に留まる場面もあるため、最低限の知識を持っておくことが大人の嗜みとされています。