高校時代、ハンドボール部の先輩後輩として出会った今いくよと今くるよの二人は、1970年代に吉本興業のドアを叩いた。当時の演芸界、とりわけ漫才の世界は圧倒的な男性優位の社会であり、女性コンビが舞台で笑いを取ることは極めて難易度が高いとされていた時代だ。
「細身とぽっちゃり」という対照的なビジュアルを逆手に取り、派手な衣装と独特のリアクションで客席を沸かせるスタイルは、瞬く間に注目を集めた。1980年代の漫才ブームを牽引した伝説的番組『花王名人劇場』への出演をきっかけに、その人気は関西ローカルの枠を飛び越え、一気に全国区へと躍進する。男顔負けのハイスピードな掛け合いと愛のあるイジり合いは、上方演芸の新しい可能性を全国の視聴者に知らしめた。