端座位とは?なぜ現場で重視されるのか効果と安全な介助手順を徹底解説

端座位とは?なぜ現場で重視されるのか効果と安全な介助手順を徹底解説

端座位とは?なぜ現場で重視されるのか効果と安全な介助手順を徹底解説の基礎知識と応用に迫る! 専門的な視点で紐解きます。

端座位への移行介助では、力任せに患者の上半身を引っ張り上げてはなりません。介助者の腰痛を引き起こすだけでなく、患者の恐怖心と過度な筋緊張を招き、重心バランスを破綻させる原因になります。近年の介助現場において基本方針となっている「ノーリフトケア」および身体力学(ボディメカニクス)に基づいた端座位介助手順の要点を順を追って解説します。

ステップ1:側臥位(横向き)の形成
ベッドの高さを介助者の骨盤の高さに調整します。仰臥位からいきなり体を起こすのではなく、まず両膝を立ててもらい、肩と骨盤を同時に支えながらベッドの端に向かって横向き(側臥位)にします。このとき、患者の体を丸めるように屈曲させると、回転軸が小さくなり極めて小さな力で横を向かせることが可能です。

ステップ2:下肢の振り下ろしとテコの原理
側臥位になった患者の両下肢を、介助者の手で支えながらベッドの縁からゆっくりと外へ垂らします。この下肢の重みが「振り子(カウンターウェイト)」として働き、上半身を持ち上げる強力な回転トルクを生み出します。

ステップ3:体幹の挙上と押し当て
介助者は患者の肩甲骨の下部と腰部(骨盤)に手を添えます。決して首や脇の下を強く引っ張ってはなりません(上腕神経叢麻痺や肩関節脱臼の重大なリスクとなります)。下肢が下へ降りていく重力とタイミングを合わせ、ベッド面についている患者自身の肘や手掌のプッシュアップ運動を促しながら、斜め前方にらせんを描くような軌道で上半身を浮かせます。

ステップ4:ベッド高の微調整と足底接地
座った直後、最も重要なのがベッドの高さ調整です。多くの施設で盲点となっているのが「足が浮いた状態」の放置です。足底が完全に床につかないと、骨盤が後傾して前方に滑落する事故が発生します。ベッド高を下げ、股関節90度・膝関節90度・足関節90度を保ち、両足裏全体が床に密着するセッティングを完了させます。

ここから車椅子等へ移る際の移乗介助のコツは、「お辞儀の誘導」に尽きます。人間は直立したままでは立ち上がれません。頭部を前下方へ倒し、重心をつま先の上まで移動(頭部前屈・重心前方移動)させて初めて臀部が浮き上がります。介助者は患者のズボンを引き上げるのではなく、患者の頭部が自然にお辞儀の弧を描くように誘導し、回転軸となる足部を中心にして車椅子座面へ臀部を滑らかに滑り込ませます。

山崎 陸
著者

山崎 陸

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