もし腎盂腎炎と診断された場合、治療方針は重症度(発熱の度合い、脱水の有無、経口摂取ができるか否か)によって分かれます。
微熱程度で全身状態が比較的良好な軽症例であれば、通院による抗菌薬の点滴投与と毎日の経口服薬で経過を追うことが可能です。一方、38度以上の高熱、強い悪寒、嘔気・嘔吐を伴う中等症から重症例では、原則として数日〜1週間前後の入院管理が必要となります。入院中は、点滴による十分な水分補給と抗生物質の持続投与を行い、血液中に細菌が侵入する「敗血症」への悪化を厳重に防ぎます。
治療における鉄則は、「自覚症状が消えても処方された抗菌薬は最後まで飲み切ること」です。服用開始から2〜3日で排尿痛や腰痛が和らぐと自己判断で服薬を中断する患者が散見されますが、これは体内に残存した菌に耐性を獲得させ、再発を繰り返す難治性の慢性腎盂腎炎を招く最大の要因となります。