この「感情と表現の不一致」という苦悩を世界的な認知へと押し上げた大きなきっかけがある。アカデミー賞を受賞した映画『ジョーカー』だ。主演のホアキン・フェニックスは、緊張や苦痛を感じた際に意図せず激しい笑い発作を起こしてしまう主人公アーサーの孤独と葛藤を凄まじいリアリティで演じきった。
作品の世界的ヒット以降、NetflixやHBOといった主要配信プラットフォームでも、心因性の笑い発作や感情制御障害を扱ったドキュメンタリーやドラマが次々と注目を集めた。かつて単なる「不謹慎」「空気が読めない」と一蹴されていた症状が、正しく知るべきメンタル課題として広がりを見せている。