北海道白老郡白老町竹浦。室蘭と苫小牧を結ぶ大動脈・国道36号線沿いに位置する「かに太郎」は、2026年現在も確実に営業しています。ネット上の地図サービスやSNSでは、不定期な休業や外壁の激しい経年劣化から「閉業」「営業停止」といった誤った情報が散見されますが、暖簾(のれん)が掲げられた日には開店前から熱心なファンが車を滑り込ませています。
この建物が放つ特異な威容には建築学的な背景があります。1974年(昭和49年)創業の同店は、海岸線の強風を受け流すために設計された珍しい12角形の多角形構造を採用しています。かつては白老の海を臨むドライブインとして輝かしい活況を誇りましたが、半世紀に及ぶ塩風と北国の豪雪に晒され続けた結果、現在のような独特の風貌に至りました。窓際席からは今なお雄大な太平洋のパノラマが広がり、波音を聞きながら食事ができる唯一無二のロケーションを保っています。
訪問者の証言によると、近隣の民族共生象徴空間「ウポポイ」への観光前後に立ち寄る旅行者も多く、午前10時30分頃の開店直前にはすでに数組の待機列ができる光景が日常化しています。営業時間は原則として昼のみで、用意された仕込み分がなくなり次第暖簾が下げられるため、実質的な営業時間はわずか1〜2時間にとどまる日も珍しくありません。