トレーニーからダイエッターまで、なぜこれほどまでにプロテインを寝る前に飲むべき理由が強調されるのでしょうか。その鍵を握るのが、入眠後にピークを迎える「成長ホルモンの分泌」と「就寝中のアミノ酸枯渇問題」です。
入眠から約90分後に訪れる深いノンレム睡眠のあいだ、体内では成長ホルモンが集中的に分泌されます。このホルモンは傷ついた生体組織の修復、肌のターンオーバー、そして筋肉合成の促進を担う極めて強力なメッセンジャーです。しかし、成長ホルモンがいくら筋肉を合成しようと指令を出しても、材料となるアミノ酸が血中に不足していれば十分な合成反応は起きません。
一般的な夕食から翌朝の朝食までは、およそ8〜10時間もの絶食時間が続きます。この間に血中アミノ酸濃度が低下すると、生体はエネルギーやアミノ酸を確保するために自らの筋肉を分解する「カタボリック状態」に陥ります。就寝前にあらかじめ良質なタンパク質を補給しておくことは、睡眠中の筋分解を食い止め、成長ホルモンの働きを最大限に生かして筋肉のリカバリーを促すための合理的な防衛策です。