SNSや掲示板、動画共有サイトのコメント欄には、ケンとメリーのスカイラインに関する膨大な書き込みが蓄積されている。編集部では2026年から2026年にかけての主要な投稿を分析したが、そこには明確な傾向が見られた。
最も多いのは「あのCMを見ると泣けてくる」という感情的反応だ。これは50代以上の男性に特に顕著で、父親や兄弟と一緒にテレビを見ていた子供時代の記憶と結びついているケースが多い。ある投稿者は「ケンメリのCMが流れると、家族みんながテレビの前に集まった。あの頃の日本は確かに貧しかったけど、何かが確かにあった」と綴っている。
一方で、若い世代からの評価も興味深い。平成・令和生まれの自動車ファンや昭和レトロブームの影響を受けた層からは、「70年代の日本車CMの名作として、映像表現の完成度が高い」「今のCMにはない『余白』と『叙情性』がある」といった声が上がっている。特に動画共有サイトで再視聴した若年層のコメントには、「初めて見たのに懐かしい」という表現が頻出する。これはノスタルジーが単なる記憶の再現ではなく、時代を超えて共有される感情体験であることを示唆している。
一方で、批判的な視点も存在する。フェミニズム批評の観点からは、メリーが「見られる対象」として受動的に描かれているという指摘もある。また、広告研究の立場からは、「ケンとメリー」が作り出した「自由な若者像」は、消費社会が生み出した巧妙な幻想であり、現実の若者の生活とは乖離していたという分析も存在する。
このように、ネット上の評価は一様ではない。しかし、肯定・批判の両方を含めて議論が続いていること自体が、このCMの文化的影響力の大きさを物語っている。