「味仙の店舗はどこも同じチェーン店」だと思っているなら、それは大きな誤解です。味仙の創業は1960年、長男である郭明優氏が名古屋市千種区に「今池本店」を構えたことに端を発します。その後、店は大繁盛を遂げ、兄弟5人(長男・次男・長女・次女・三男)がそれぞれのれん分けという形で独立採算の店舗網を広げました。各店が独自の会社組織として運営されており、レシピの門外不出を守りつつも、店主ごとの裁量で味付けやメニュー構成に強烈な個性が与えられています。
1999年8月8日にオープンした「矢場店」を率いるのは次女の郭美香氏です。矢場味仙の最大の特徴は、公式ブランドサイトでも掲げられている「辛い&濃ゆい、クセになる味付け」にあります。鶏ガラと豚骨ベースの旨味を前面に出し、バランスとコクを重視する今池本店に対し、矢場店は唐辛子の粒子がスープを覆い尽くすほどの辛味と、ニンニクの強烈なインパクト、さらにしっかりとした醤油ダレとラードの重厚感を前面に押し出しています。「一口目で脳天を突き抜ける刺激」を求める中毒者が、今池ではなく矢場を目指す理由はここにあります。