ネット上の情報では「キャベツはコトコト長時間煮込むほど甘くて美味しい」と語られることがありますが、調理科学の観点からは明確な誤解が含まれています。
キャベツには、胃粘膜を保護・修復する「ビタミンU(キャベジン)」や、抗酸化作用を持つ「ビタミンC」が豊富に含まれています。これらは水溶性かつ熱に弱い性質を持っています。スープとして煮汁ごと飲むことで水溶性ビタミンは摂取できますが、15分以上過剰に加熱し続けると熱分解が進むだけでなく、アブラナ科特有の「イソチオシアネート」等の揮発性成分が分解し、硫黄のような不快な臭気(煮崩れ臭)を発する原因になります。
シャキッとした食感を適度に残しつつ、野菜の甘みを最高潮に引き出す煮込み時間の限界点は「中火で5〜8分以内」です。この時間内に留めることで、鮮やかな淡緑色を保ち、ビタミンの残存率を高めながら澄んだ美しいスープに仕上げることができます。
また、「コンソメスープは塩分が多くダイエットに不向き」という懸念についても、キャベツに含まれる豊富なカリウムが余分なナトリウムの体外排出を促進するため、具材比率を高めた具だくさんスープにする限り、むくみ防止や血圧コントロールにおいて極めて理にかなった食事法となります。