まずは、楽曲の骨格を成す象徴的なフレーズの英語歌詞と、その日本語訳を見ていきましょう。スティングが紡ぐ言葉は極めてシンプルでありながら、細部にまで強烈なアイデンティティの対比が施されています。
【ヴァース1】
I don't drink coffee I take tea my dear
(コーヒーは飲まないんだ、紅茶をいただくよ)
I like my toast done on one side
(トーストは片面だけを焼いたものが好きでね)
And you can hear it in my accent when I talk
(私の話し言葉のアクセントを聞けばわかるだろう)
I'm an Englishman in New York
(私はニューヨークに暮らす英国人なのだと)
【コーラス(サビ)】
I'm an alien, I'm a legal alien
(私は異邦人、合法的な外国人)
I'm an Englishman in New York
(ニューヨークに生きる英国人なんだ)
朝食の定番であるコーヒーではなく紅茶を選び、パンの焼き方にまで英国流のこだわりを見せる主人公。ここで使われている「alien」という単語には、単なる外国人(在留外国人)という意味だけでなく、「異質で孤立した存在」「馴染めない異邦人」というニュアンスが色濃く投影されています。周囲のカルチャーに迎合することなく、自分のルーツと流儀を誇らしげに保ち続ける姿勢が、冒頭から鮮やかに提示されます。