土木工学における陸橋は、「谷、道路、鉄道、その他の人工構造物などをまたぎ越すために陸上に架けられた橋」と定義されます。川や海を渡る一般的な橋梁とは異なり、下部に水流が存在しない、もしくは主目的が水域の横断ではない橋を総称します。
陸橋の構造と役割を理解するうえで欠かせないのが、道路法に基づく「立体交差道路の仕組み」です。平面交差点で交通量が飽和すると、右折待ち車両による慢性的な渋滞や、歩行者と車両の接触事故が頻発します。陸橋を設けて交通流を上下二層に分離することで、信号待ちのないスムーズな交通流を確保し、都市の物流効率と安全性を飛躍的に高める役割を果たしています。
構造形式としては、スパン(支間長)や敷地の制約に応じて主に以下のタイプが採用されます。
- 鋼桁橋(こうげたきょう):鋼鉄製の桁を用いる構造。軽量で架設が比較的容易なため、交通量の多い道路や線路上をまたぐ工事で広く用いられる。
- プレストレスト・コンクリート(PC)橋:あらかじめ内部に圧縮力をかけた高強度コンクリート桁。耐久性に優れ、維持管理コストを抑えやすい。
- ラーメン橋:橋脚と主桁が剛結(一体化)された構造。柱を細くできるため、直下の視界を確保したい都市部の交差点に適している。