メディアで頻繁に見かける有名弁護士に対して、世間が最も関心を寄せるのは「テレビで有名な弁護士は、実際の弁護活動でも優秀なのか」という点です。日本弁護士連合会(日弁連)の『弁護士白書』によると、2026年時点における全国の弁護士総数は約4万5,000人を超え、そのうち女性弁護士の割合は約20%(約9,000人)に達しています。
数千人規模で存在する実務家の中で、テレビカメラの前に立つのはほんの数十人にすぎません。メディアが求めるのは「短時間で視聴者に分かりやすく要点を伝える要約力」「画面映えする華やかさ」「感情を揺さぶる共感力」であり、これらは法廷での緻密な証拠収集能力や書面作成能力とは異なるスキルセットです。
取材に応じた大手法律事務所のシニアパートナーは、現場の実情を次のように証言しています。
「テレビ出演が多い先生方は、法廷に立つ時間よりもスタジオ収録や事前打ち合わせに追われがちです。実際の裁判実務や交渉案件は、事務所の勤務弁護士(アソシエイト)が実質的に回しているケースも珍しくありません。メディアでの知名度と法廷勝率は必ずしも直結しないのが業界の常識です」