「わたなべ」の名字を語る上で外せないのが、「渡部」という表記です。一般には「わたべ」と読まれることが多いですが、地域や家系によっては「わたなべ」と読ませるケースが存在します。
古代日本には「部民制(べみんせい)」という制度があり、川や海の渡し船を管理する職業集団を「渡部(わたべ/わたなべ)」と呼んでいました。この職掌名がそのまま名字へと転化し、漢字表記は「渡部」のまま「わたなべ」という読みが受け継がれた地域があります。
また、全国の名字調査では、極めて珍しい激レア表記の「わたなべ」も確認されています。
【全国に見られる珍しい「わたなべ」表記の例】
・渡那部:万葉仮名のように音をそのまま当てた表記
・渡鍋:生活道具の「鍋」の文字を当てた極めて希少な家系
・渡延:「辺」の代わりに「延」を用いたバリエーション
・超難読異体字:総画数が30画近くに達する、特殊な部首構成の旧字表記
これらの希少な表記を持つ家系は全国でも数世帯から数十世帯レベルとされており、出会うこと自体が極めて貴重な名字文化の遺産です。