武雄温泉元湯のあつ湯はなぜ熱い?日本最古の木造名湯を徹底解剖

武雄温泉元湯のあつ湯はなぜ熱い?日本最古の木造名湯を徹底解剖

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武雄温泉元湯の歴史的価値を語る上で外せないのが、その類まれな建築様式です。明治9年(1876年)に完成した建物は、釘を極力使わずに木材を組み上げた伝統的な木造建築であり、高い天井には湯気を効率よく外へ逃がす「越屋根(湯気抜き)」が設けられています。木造の梁が複雑に交差する幾何学的な美しさは、現代のコンクリート造のスパ施設では決して味わえない厳粛な趣を漂わせています。

そして、元湯の入口にそびえ立つ鮮やかな朱塗りの「楼門」と「新館」は、大正4年(1915年)に完成したもので、国の重要文化財に指定されています。設計を手掛けたのは、東京駅丸の内駅舎や日本銀行本店を設計した日本近代建築の巨匠・辰野金吾です。佐賀県唐津市出身の辰野が、郷土の発展を願って手掛けた貴重な和風木造建築として知られています。

建築ファンの間で長年語り継がれているのが、「東京駅と武雄温泉楼門の干支の謎」です。東京駅のドーム天井には東西南北の4つを除く「8つの干支」のレリーフが彫られており、残りの4干支(子・卯・午・酉)がどこにあるのかが長らく謎とされていました。後の調査により、武雄温泉楼門の2階天井の四隅に、欠けていた4干支の彫刻が正確に刻まれていることが判明。辰野金吾が仕掛けた100年越しの遊び心と設計意図が証明されたエピソードは、今や武雄観光の最大のハイライトとなっています。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。