読書メーターやAmazon等の大手書評プラットフォームにおいて、本作の感想レビューは極めて高い熱量を保ち続けています。投稿されたユーザーの声を分析すると、評価は大きく二つの軸に集約されます。
一つは、「痛すぎて途中で読むのをやめそうになったが、最後まで読まなければならない使命感に駆られた」という意見です。特に家庭内暴力や教室内の排他的な空気感の描写は容赦がなく、思春期に似たような疎外感を抱いたことのある読者の古傷を容赦なく抉り出します。
もう一つは、「大人が読んでも深く反省させられる」という社会人層からのレビューです。かつて子どもだった大人たちが、作中に登場する無力な教師や身勝手な保護者の姿を通して、「自分たちは苦しんでいる子どもたちに目を向けているか」という痛烈な問いを突きつけられる点が高く評価されています。
さらに、2020年9月の単行本刊行後、河出書房新社より文庫版が発売されたことで手に取るハードルが下がり、通学・通勤電車で一気読みした読者からの反響が再燃しました。そしてカンザキイオリ氏の小説第2作『親愛なるあなたへ』やその後の関連作品へと読み進める読者が後を絶ちません。『親愛なるあなたへ』では、創作への葛藤や他者との真の繋がりがより成熟した筆致で描かれており、本作と合わせて読むことで作家の精神的深化を体感することができます。