ネット上では「関俊彦は悪役声優なのか、それとも正統派ヒーロー声優なのか」という議論がしばしば交わされますが、これには時代ごとのキャリアの変遷が関係しています。
1980年代から1990年代にかけての関俊彦は、『赤い光弾ジリオン』のJJや『天空戦記シュラト』のシュラト、『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』のブリード加賀など、爽やかで真っ直ぐな熱血美少年・青年ヒーローの代名詞でした。当時のファンにとって、関俊彦は正統派の主人公ボイスという印象が定着していました。
そのパブリックイメージを覆したのが、2000年代初頭の『機動戦士ガンダムSEED』のラウ・ル・クルーゼや『最遊記』の玄奘三蔵です。正統派の美声を持ちながら、その奥にあるドロドロとした怨嗟や冷酷さを響かせる悪役・ダークヒーローの演技が高く評価され、現在に至る「底知れない悪役も演じられる大ベテラン」としての立ち位置が確立されました。悪役の怪演は突発的なものではなく、ヒーロー役で培った純粋性の裏返しとして計算された、高度な技術の賜物です。