国政選挙における投票用紙の記入ミスで最も頻発するのが、小選挙区と比例代表の書き方の混同です。総務省の開票集計データや自治体選挙管理委員会の報告によると、国政選挙で投じられる無効票のうち、かなりの割合が「小選挙区の用紙に政党名を書く」「衆議院の比例代表用紙に個人名を書く」といった初歩的な枠違いによるものです。
衆議院議員総選挙と参議院議員通常選挙では、比例代表の記載ルールが根本的に異なります。衆議院の比例代表では「政党名または政治団体名」のみを記載しなければなりません。ここに候補者個人の名前を書いた場合、どれほど知名度のある政治家であっても票は無効として処理されます。
一方、参議院の比例代表(非拘束名簿式)では、「候補者個人名」または「政党名」のどちらを書いても有効となります。候補者名を書いた場合はその候補者の得票となり、同時に所属政党の得票としても合算カウントされます。この衆院と参院の構造的差異は有権者の混乱を招きやすく、投票所では記載台に掲示されている候補者一覧や政党名一覧を必ず目視確認することが鉄則です。
各自治体では取り違えを防ぐため、投票用紙の色を明確に分けています。一般的な衆院選では「小選挙区=薄い水色」「比例代表=ピンク色」「最高裁判所裁判官国民審査=白色」といった色分けが施され、交付順序も厳格に管理されています。