サポーターの間で頻繁に議論を呼ぶのが、「代表戦に勝利したにもかかわらずランキングが下がった」「格下に大勝したのにポイントがほとんど増えない」という現象だ。この背景には、2018年ロシア大会以降にFIFAが導入した「SUMアルゴリズム(Eloレーティング派生型)」の厳格な計算式が存在する。
現在のFIFAランキング計算方法は、過去の試合結果の単純平均ではなく、試合ごとに以下の計算式で数値を直接増減させる仕組みをとっている。
P = Pbefore + I × (W - We)
ここで極めて重要なのが「I(試合の重要度係数)」と「We(試合の期待結果=対戦国同士のポイント差から算出される勝率)」の2点だ。国際親善試合の重要度係数Iがわずか10であるのに対し、W杯本大会は最大60、大陸選手権(アジアカップなど)準々決勝以降は40に設定されている。さらに、自国よりランキングが遥かに低いチームと戦う場合、勝利期待値Weは1.0(100%勝利)に限りなく近づく。
これがFIFAランキング順位変動の理由における最大の落とし穴だ。例えば日本が100位以下の国とアジア予選で対戦して勝利(W=1)しても、期待値が0.95であれば手に入るポイントはごくわずかである。万が一引き分け(W=0.5)や敗戦(W=0)を喫しようものなら、大量のポイントが一撃で剥奪される。その間に、欧州勢同士がネーションズリーグの強豪対決で僅差勝利を収めれば一気に10ポイント以上を加算するため、「日本が勝った裏で他国が爆発的にポイントを伸ばし、相対的に順位が下がる」という事態が構造的に発生する。