天理教において「ぢば(地場)」とは、単なる本部の所在地を指す言葉ではありません。教理上、「人間が最初に創造された発祥の聖地」と位置づけられており、奈良県天理市にある天理教教会本部の神殿中心部には、その目印とされる六角形柱の「かんろだい(甘露台)」が据えられています。
この教理に基づき、信徒にとって天理の地を訪れる行為は「参詣」ではなく、「すべての人間にとっての親里へ里帰りする」という意味を持ちます。これが「おぢばがえり(お里帰り)」と呼ばれる言語的ルーツです。正月や春の催事、月ごとの月次祭(つきなみさい)など年間を通じて帰還行事が行われていますが、なかでも年間最大規模の賑わいを見せるのが、夏休みに子ども向けに特化して開かれる「こどもおぢばがえり」です。
さらに注目すべきは、2026年が教祖・中山みきの没後140年にあたる「教祖140年祭」の当年であるという歴史的事実です。天理教では10年ごとに年祭が執り行われ、国内外から数十万人規模の帰町(きちょう)者が天理市へ押し寄せます。2026年の一連の行事は、過去数年間の自粛ムードを払拭する大規模な動員体制が敷かれており、例年以上の熱気と組織的エネルギーが街全体に満ちています。