野良猫の縄張り行動によるフン尿被害は、都市部・住宅街を問わず深刻な住環境問題です。インターネット上のQ&AサイトやSNSでは、日常的に「手軽に作れる自作スプレー」や民間療法の情報が飛び交っています。当編集部が主要なコミュニティや投稿事例を追跡調査したところ、現場では理想と現実の間に小さくない乖離が生じていました。
大手知恵袋サイトで度々推奨される「お酢を水で1対1に薄めた自作忌避スプレー」について、実際に試した住宅街の住民からは次のような声が寄せられています。
「散布した初日こそ猫は寄り付きませんでしたが、夏の炎天下では半日で酸っぱい匂いが蒸発してしまい、翌朝には同じ場所にフンをされていました。それどころか、玄関先がお酢臭くて来客時に恥ずかしい思いをしました」(40代・戸建て住宅所有者)
さらに深刻なのは、園芸資材として愛好される木酢液(もくさくえき)を巡るトラブルです。野良猫の忌避効果自体は「山火事を連想させる煙臭」によって一定の成果を上げるものの、集合住宅のベランダや境界線の狭い住宅地で使用した場合、近隣住民から「異臭がする」「洗濯物に煙臭さが移る」といった苦情が自治体や警察に寄せられる事態に発展しています。
また、家庭で手軽に用意できる「ドリップ後のコーヒーかす」を庭の土に撒く手法も定番視されていますが、臨床観察では数日から1週間程度で匂いに慣れてしまい、平然と踏み越えていく個体が多数確認されています。匂いによる撃退は、猫の「縄張りを死守したい執着心」との根比べになりやすく、匂い物質が雨で流れるたびに再散布を強いられる労力面での破綻が目立ちます。