フロアを縦横無尽に駆け巡るのは、大串に刺さった巨大な塊肉を抱えたパサドール(シュラスコ職人)たちだ。客席の目の前で鋭利なナイフを滑らせると、湯気とともに鮮烈な赤身が顔を出す。熱々の肉片がトング越しに皿へと滑り落ちる瞬間、テーブルのあちこちから感嘆の声が漏れる。
絶妙な塩加減と焼き加減は、まさに職人技。炭の熱と肉の水分量を見極め、外側はクリスピーに、内側はシルキーなジューシーさを保ったまま提供される。さらに夜が深まると、本場さながらのサンバエンターテインメントがフロアを包み込む。躍動するリズム、鮮烈なステップ、そして手拍子。ブラジル料理の本質である「祝祭のエネルギー」がフロア全体に伝播し、食事のボルテージは最高潮に達する。