嵐の札幌公演を語る上で避けて通れないのが、遠征組が直面した過酷な現実と現場の熱量です。当時の参戦レポートやSNS上のコミュニティでは、開催発表の瞬間から激しい戦いが繰り広げられていました。
最たる例が嵐の札幌ホテル争奪戦です。ツアー日程が公式発表された瞬間、札幌市内はもちろん、小樽、千歳、果ては旭川や苫小牧に至るまで、アクセス圏内の宿泊施設が一瞬で満室となりました。予約開始と同時に旅行予約サイトのサーバーがダウンし、通常1泊8,000円前後のビジネスホテルが3万円〜5万円以上に跳ね上がる異常事態が恒例化していたのです。
さらに現地では、寒冷地特有の試練がファンを待ち受けていました。早朝からドーム周囲に形成される物販の待機列では、待ち時間が4〜6時間以上に及ぶことも珍しくありませんでした。防寒着を着込み、使い捨てカイロを何重にも貼りながら限定グッズを求めて並んだ時間は、過酷でありながらもファン同士の連帯感を育む特別な体験として記憶されています。