立ちんぼ問題の深層を探るうえで、女性たちが直面する構造的貧困の解明は避けて通れない。裏社会や貧困問題を長年取材してきたルポライターの鈴木大介氏は、彼女たちの多くが家庭内暴力や精神的疾患、社会的孤立を抱えていると指摘する。単に「楽して稼ぎたい」から路上に立つのではなく、生き延びるための最終手段として選択せざるを得ない追い込まれた事情が存在する。
表面的な事件報道にとどまらず、こうした背景に切り込む調査報道ジャーナリズムの役割が今こそ求められている。買春を行う男性側の責任や、女性を路上に追い込む悪質なスカウト・ホストの存在を白日の下に晒さなければ、どれほど路上から女性を排除しても根本的な解決には至らない。彼女たちに必要なのは一時的な摘発ではなく、安全な生活空間と実効性のある生活支援だ。