インターネットの検索窓で「苔の回廊」と入力すると、サジェストに「立ち入り禁止」という不穏なキーワードが表示されます。現地を訪れようと計画している方が最も懸念するこの噂ですが、結論から言えば「楓沢 苔の回廊」そのものは2026年現在、立ち入り禁止にはなっていません。
この情報が錯綜している最大の理由は、近隣に位置する有名な景勝地「苔の洞門(こけのどうもん)」との混同にあります。
支笏湖畔の樽前山麓にある「苔の洞門」は、かつて観光名所として観覧台や木道が整備されていましたが、平成の度重なる台風被害や岩盤崩落により洞門内部への立ち入りが全面禁止となりました。その後設置された展望台も倒木被害などで閉鎖が続き、現在も一般観光客が洞門内を歩くことは一切できません。この「苔の洞門の閉鎖」という事実が、同じ支笏湖エリアに存在する「楓沢 苔の回廊」の情報と混同され、ネット上で誤った噂として広まり続けているのが実態です。
ただし、注意しなければならないのは、「立ち入り禁止ではない=安全な観光地」ではないという点です。楓沢の苔の回廊は、観光地として自治体や管理団体が手すりや歩道を整備した場所ではなく、国有林内の「自然の枯れ沢(登山ルート)」です。通行はあくまで自己責任の登山行為として扱われており、降雨による増水や落石、倒木、ヒグマとの遭遇リスクを常に孕んでいます。