実務の現場で最もトラブルを生みやすいのが、「貼付と添付の違い」を曖昧にしたまま指示を出してしまうケースです。両者の最大の違いは、「対象物が物理的に接着されているかどうか」という物理的状態に集約されます。
「貼付」の「貼」は、糊(のり)やテープを用いて物体を別の物体の表面に密着させる動作を意味します。したがって、紙に写真を貼り付ける、申請用紙に印紙を貼る、皮膚にシールや薬を貼るといった具体的な接着作業が伴う場面でのみ使用するのが言語学的に正確な用法です。
対して「添付」の「添」は、主となるものに別のものを「添える・付け加える」という意味を持ちます。メールにPDFファイルを添えて送信する、契約書に補足資料をクリップで留めて同封するなど、独立した二つ以上の物品やデータがセットになっている状態を指します。メールで「ファイルを貼付します」と書くのは明らかな誤用であり、受け手に対して稚拙な印象を与えかねません。